名悪代官 川合伸旺さん逝く [マニアなネタ]
6月は左足腓骨筋腱脱臼のため手術、療養に費やされた。
この件は別の機会にまとめて書いてみたいと思うがその6月、世の中で大物と呼ばれる人の訃報が相次いだように感じられる。その中でも悪役俳優川合伸旺(かわい のぶお)さんの訃報は悲しかった。
父親が時代劇好きで子供の頃よくテレビを見ていたものだ。「桃太郎侍」、「暴れん坊将軍」、「水戸黄門」、「大江戸捜査網」、「遠山の金さん」などなどである。
正直、川合伸旺という名前は知らなかった。でも顔を見ると見覚えのあるいつもの悪代官!川合さんは一番左の方です。
画面に登場した瞬間に「こいつ、悪い奴だ!」と子供心に思ったものでした。
前の日に水戸黄門に成敗された悪代官が同じ週に暴れん坊将軍でも打ち首にあってと不思議でならなったものだ。
たとえば抜け荷で一儲けした悪徳商人ゑちご屋と悪代官の会話
ゑちご屋:「このたびの抜け荷の件お心遣い頂き誠にありがとうございます。」ここで菓子折りを差し出す「つまらぬものですが山吹色の菓子(もちろん小判!)にございます。お口に合いますでしょうか」
悪代官:(にやりとした表情で)「これ、ゑちご屋。お主も悪よのう」
… と続く
それだけこの人の悪代官ぶりはふてぶてしく悪どそうな、「わかりやすい悪役」だったのでしょう。それゆえに訃報を伝える新聞記事にも「悪代官をさせたらこの人の右に出るものはいない…」などと書かれたのだろう。最近の役者さんにはこういう味のある悪役と言われ思いつく人がいない。
写真右の内田勝正さん、中央の中田浩二さんにはまだまだ活躍して次の世代に悪役像を引きついていってほしいです。
以前「悪代官 川合伸旺」という商品名で悪代官フィギュアが¥15,000で1000個限定で売り出されたようだが即完売だったそうです。(当然本人承諾のうえで発売。ご本人はたいそう気に入られていたようです)
隠れた名優とはまさにこういう人を言うのでしょう。ご冥福を祈りいたします。
今頃あの世で歴代の時代劇スター相手に悪代官ぶりを発揮されているのでしょう。