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09年箱根駅伝感想 [その他]

 今年の箱根駅伝は東洋大の初優勝で幕を閉じました。

優勝候補といわれた駒澤大学と早稲田大学。駒澤大学はまさかのシード圏外、早稲田もあと一歩で優勝を逃しました。この結果から言えることは参加校のレベルの拮抗です。毎年のようにどこかの区間で区間記録が更新されますが総合タイムは15年前の1994年、山梨学院大の記録が破られずに残っています。

 今年(2009年)と1994年の優勝、5位、10位、15位の総合タイムを比べてみましょう。

順位      2009年         1994年
優勝      11:09'14(東洋大)  10:59'13(山学大)
5位      11:17'50(中学大)  11:20'27(東海大)
10位     11:18'33(中央大)  11:23'38(法政大)
15位     11:25'07(神奈川大) 11:36'02(東洋大)

 優勝タイムは94年の山梨学院大が圧倒的に速く、今年の東洋大を10分引き離しています。
ところが5位以下になると今年のほうが速いのです。たとえば今年10位の中央大のタイムは94年であれば5位です。5位と10位のタイム差は43秒です。217kmを走ってこの間に6人ものランナーがひしめくくらいに拮抗しています。
 全員が約20kmを走るこの大会で好成績を納めるには一人のエースより20kmを62分で走る選手を10人そろえることがベターな戦略になります。
この大会の人気が「箱根から世界へ」というスローガンと乖離し始めているのが悲しいかな現実です。
 今年の4年生は当たり年と言われ、好選手が多数います。東海大の佐藤選手、早稲田大の竹澤選手、山梨学院大のモグス選手などです。この学年には高校時代の仙台育英高に北京五輪マラソン金メダルのワンジル選手もいたのです。しかも、先述の選手たちは高校時代にはワンジル選手を上回る実力の持ち主でした。箱根駅伝重視でトラックにはスピードが足りず、マラソンにはスタミナが足りないトレーニングをしてきたのではと思いました。もちろん選手個人の責任ではありません。

 箱根駅伝は関東ローカル大会であり、格上の全国大会として全国大学駅伝(三重県)や出雲駅伝(島根県)があります。しかし、箱根に出たいがために全国の有力選手が関東に集中し、全国大学駅伝では関東の12校が13位までにゴールするいびつな勢力分布になってます。

 「箱根から世界へ」を考えるにはどうするべきでしょう?
関東以外の学校を招待校として参加させることもひとつの方法でしょうが区間距離をもっと多様化することが必要と思います。
たとえば最短区間は8km、最長区間は35kmなどトラックを目指す選手は前者、マラソンを目指す選手は後者とより具体的になるのではと思いました。

>あとは5区を誰が制するかです。平地で差がつかない最近の箱根ではこの特殊な区間が勝敗の鍵を握るように思えます。

 今年も5区が勝敗の鍵を握ったように思えます。東洋大の柏原選手ですが前評判が高く、注目もされてましたがまさか「山の神」今井選手の記録を破るとは思いませんでした。
今井選手によって5区の記録は3分も縮められています。普通に考えれば10年は破られない記録です。これは各校とも山登りの重要性を認識してトレーニング方法の研究や選手発掘を行っているからでしょうか?しかし、こんな864mも上る区間を走るのは1年に1回、ここだけです。そのためだけの選手を用意するのも考えにくいことです。MVPに相当する金栗杯も延べ7人の受賞者(今井選手は3回受賞)のうち5人が5区の選手です。しばらく山登りの重要性がクローズアップされると思います。

 最後に初出場で注目していた上武大ですが20位でした。さすがに箱根は甘くないということでしょうか。
それでも繰り上げスタートも途中棄権にも逢わずゴールまで襷をつなげたことは見事だと思います。
参加した選手の人生観にもかかわる大きな出来事だったと思います。
花田監督の真摯に情熱を傾ける指導とそれに応えようとする選手、それらをバックアップする大学など周囲の協力。きっと数年でシードを獲得する実力をつけるのでは思いました。

 私も脚がもう少しよくなれば走ってみたくなりました。復帰戦は10kmか10マイルですね。


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